ちなみに評価は5段階方式。★4あればほぼ満点。★5は殿堂入りって

感じです。続巻作品はその後の展開で評価が変わる可能性も

あるのでレビュー日時点の評価で付けてます。

 

★5・・・・・・神作品。墓に入れるべき!

★4・・・・・・超お勧め。見るべし!

★3・・・・・・面白い。読んで損はない!

★2・・・・・・波長が合えば、面白い人もいるかもね。

★1・・・・・・万人に向けてお勧めできない。残念な作品。

 

 



(全5巻

 

評価:★★★★☆

タイトル/ ジキルとハイドと裁判員

作者/ 森田崇(漫画)北原 雅紀 (脚本)

内容/

新人裁判官ジキルは、ある日ハイドという謎の生物に寄生されてしまう。しかしハイドは常識を超える能力をもっっていて・・・・



感想/

大分前に完結した漫画でしたがマイナーながらかなり面白い漫画でしたのでご紹介。

新人裁判官がある日、突然手に入れる能力。それは大雑把に言えば人の過去が
完全にわかって しまう能力。
つまり、裁判官という立場から、容疑者が有罪か、無罪かわかってしまう。

無罪を主張する犯人を如何に有罪にしていくか。
そこに近年取り入れられた 裁判員制度導入という社会背景を巧みに絡め、
素人である裁判員を話術 心理操作で誘導し、 自分の 意図する結論に
導こうとする。

主人公の行為が善なのか悪なのかという色々考えさせられる面も含め
名作デスノートに近い雰囲気を感じます。

裁判員制度に対するアンチテーゼ的なメッセージ性も感じますが
エンターテイメント性も非常に高い。

全5巻で若干物足りない気もしますが、読後感も良くお勧めです。

備考/

 

 

 



(既刊1巻~7巻

 

評価:★★★☆☆(H23.11.29)

タイトル/ ヒストリエ

作者/ 岩明 均

内容(amazonより)/

舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作です。蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。それが彼の波乱の旅の始まりだったのです。



感想/

主人公エウメネスがさげずまれる蛮族としての出自を受けながら不思議な縁と傑出した才覚で立身していく様を描く作品。

歴史物っぽいあらすじですが、古代ヨーロッパを舞台に岩明先生が生み出す
個性あふれるキャラクターが活躍する群像劇。

名作、寄生獣や、その他の作品でもそうですが、岩明先生が作り出すキャラはどこか第三者的で淡々としています。
しかしそのキャラクターを取り巻く環境が凄惨で激動。そのミスマッチが岩明作品に共通する読者をひきつける不思議な魅力を放っているように感じます。

7巻まで出ていますがまだストーリー的には序盤な雰囲気。これから更に盛り上がった展開になる事を期待します。

 

 

備考/

 

 

 



(既刊1巻~39巻

 

評価:★★★☆☆(H23.7.10)

タイトル/ Q.E.D

作者/ 加藤元浩

内容(amazonより)/

MIT帰りの天才少年・燈馬×元気全開の女子高生・可奈
事件と謎が2人を待つ!!



感想/

基本的には1巻に2種類くらいのストーリーが掲載されている推理物。

金田一少年が不定期になっている今、ひそかにコナンに続く
長期連載推理漫画ではないでしょうか。

当然話によって面白い話もあればうーんって話もありますが、
安定的に一定以上の面白さはあります。自分的には同じ様な構成の
コナンよりトリックや話の構成が深いので好きです。

また、主人公が理数系の天才の設定なのでそれに因んだ
高等数学や物理学がテーマの話もかなり多く、この漫画独自の
特徴を与えています。

推理物が好きな方は外せない作品だと思います。

 

備考/

 

 

 


(20世紀少年全22巻
(21世紀少年全2巻)

 

評価:★★☆☆☆

タイトル/ 20世紀少年/21世紀少年

作者/ 浦沢直樹

内容(amazonより)/

あの頃、彼らは少年だった。そして今、人類は滅亡する。20世紀を生きてきた少年達は、いかに世界を救い戦ったのか…最後の冒険が、始まる。


感想/

2種類ありますが21世紀少年は完結編って感じでおんなじ漫画と考えて良いです。

主人公ケンヂが少年時代に遊びで作った予言の書。
その内容通りに様々な信じられない事件が起こる。
事件の中心にいるトモダチの正体は、そしてその目的は・・・・。

あらすじだけ見ると結構面白そうですし、途中まではたしかに謎が謎を
呼びわくわくする展開です。しかしながら話が進むにつれて
説明不足の粗が目立ちはじめ、あれあれと思ってるまま何もかも
投げっぱなし感のある最終回。

こういう作品が好きな人はいるでしょうが、すっきりする読み口ではない上に
強引すぎる展開は私にはあいませんね・・・。

 

備考/

 

 

 



(既刊1巻~12巻

 

評価:★★★☆☆(H23.5.8)

タイトル/ BAKUMAN

作者/ 原作/大場つぐみ  漫画/小畑 健

内容(amazonより)/

一握りの者にしか得られない栄光を手にするため、険しい“マンガ道"を歩む決意をした二人。高い画力を持つ真城最高と、文才に長ける高木秋人がコンビを組み、新たなマンガ伝説を創る! 新時代成功物語開始!!



感想/

デスノートの大場つぐみ先生と小畑健先生のコンビの新作!

おそらくその二人のコンビ関係を元に作られた「漫画家」を主人公とした
サクセスストーリー。

週刊少年ジャンプの製作の舞台裏や編集者との関係など、漫画好きなら
興味ある裏話が満載。
テンポの良いストーリー展開、小畑先生の緻密な絵は秀逸で面白くないことはない
けど自分としてはどうもストーリーの抑揚が少なくてwktk出来ない。


まぁその一方で誰が読んでも一定の評価はされる作品だと思います。

 

備考/

 

 

 



(全12巻

 

評価:★★★★★

タイトル/ デスノート

作者/ 原作/大場つぐみ  漫画/小畑 健

内容(amazonより)/

このノートに名前を書かれた人間は死ぬ…。死神 リュークが人間界に落とした一冊のノート「DEATH NOTE」。ここから、二人の選ばれし者「夜神月」と「L」の壮絶な戦いが始まる!! かつてないスリルとサスペンス!!



感想/

名前を描かれたら死ぬ死神のアイテム「デスノート」を巡り悪人を
排除し理想の世界を築こうとする夜神月(ライト)とそれを阻止し
ライトを捕らえようとする名探偵L。二人の天才の戦いを描く大ヒットサスペンス。

後半の失速感は確かにあります。
しかし前半の緊迫した展開、壮絶な頭脳戦は本当に唯一無二の面白さ。

名台詞「私がLです」のあたりはもう続きが気になり過ぎて午前5時に
コンビニにジャンプを 買いにいっていました。

緻密で繊細な小畑先生の絵は、漫画家の中でも5本の指に入る
画力。複雑怪奇なストーリーを分かり易く、情感豊かに描写していて
作品の面白さを十二分に引き出しています。


少し長い位でしたがダラダラ引き延ばさずに12巻ですぱっと
終わらせた判断も良い。

先述したとおり、後半の強引な展開におしい面もありますが、それでも漫画界に 燦然と輝く作品だと思います。

 

備考/

 

 

 



(既刊1巻~6巻

 

評価:★★★☆☆(H23.5.5)

タイトル/  狼と香辛料

作者/  作:小梅けいと 原作:支倉凍砂

内容(amazonより)/

パスロエの村では狼の姿をした豊作の神“ホロ”を祀る収穫祭が
行われようとしていた。
行商人のロ レンスは麦の売買で村を訪れたのだが、 交渉する機会を

逸してしまい、 仕方なく村を後にする。
床に就くため荷馬車に入ろうとしたロレンスだが、そこには見知らぬ少女が
忍び込んでいた。亜麻色の長髪にか細い肢体、美しい顔立ちの少女には
狼のような耳と尻尾が生えていた!





感想/

行商人を主人公とし「経済」をメインテーマに据えた異色の人気
ライトノベルのコミカライズ。

全般的にコミカライズははっきりいって成功例がほとんどないと思います。
原作の雰囲気と齟齬が出たり、旬の期間が過ぎてしまい途中で止まったり
尻切れトンボになったり・・・・

そんな中でこの漫画は稀有な成功例と思います。原作を丁寧に
絵にしている感じです。
主人公のロレンスが歯を磨くシーンとか何気ない日常のシーン ですが
獣角の歯磨き粉入れや木(?)の歯ブラシとか、ベースとなった中世に似た
世界観に対する考察が綿密になされて感心。

ただ原作読んで補完できる箇所が結構あるのでコミックから入った人は
少し分かりづらい箇所がある気がします。

 

備考/

 

 

 



(既刊1巻~

 

評価:★★★☆☆(H23.5.3)

タイトル/  デストロイ

作者/  森 恒二

内容(amazonより)/

行き場のない怒りと孤独を抱える高校生のマコトが持ってしまった驚異の「力」とは…!? 理不尽な社会を相手に、破壊という名の革命が始まる! 最凶のSFテロルストーリー!!


感想/

超能力を持った青年がその力を使い、社会の理不尽さを改善するための
テロを開始する・・・・。

現代社会へのアンチテーゼを内包したダーク設定は森先生の
真骨頂ですが、 一巻はまだ序盤も序盤 なので評価するのは難しい。
ですが、走り出しとしては続きが気になる 内容なので良いかと。

今後の展開によっては大きく評価が変わる可能性がある
設定なので今後の展開に注視。


備考/

 

 

 



(全20巻)

 

評価:★★★★☆

タイトル/  JIN

作者/  村上もとか

内容(amazonより)/

現代の脳外科医・南方仁は頭部裂傷の緊急手術の執刀中、頭蓋骨内封入奇形胎児を発見、摘出する。手術後、謎の声が“元ヘ戻シテ”と仁に囁き、更に仁は逃走したオペ患と揉み合ううち、何と幕末へワープしてしまう。近代器具なき現代医・仁の医術は幕末に通じるか?


感想/

スーパージャンプで連載開始から見てましたが、 いつかドラマ化して
ヒットするだろうな~と思ってましたが、やっぱりな・・・・。

脳外科医南方仁は階段から落ちた際、江戸時代にタイムスリップしてしまう。
知識、対処法、医療器具、薬も無い時代に病気に苦しむ人々に
南方仁が現代医として立ち向かう。

医療物と時代劇。万人に受ける設定でしかも幕末物の要素も入って
ヒットしない訳がない。

何回か言ってますがもともとタイムスリップ物と医療物は失敗が極端に
少ないジャンル。その二つが合わさったらまず間違えようがありません。

とはいえこの二つの組み合わせはありそうでなかった。
青カビからペニシリンを作ったり、経口補水塩(ORS)でコレラに
立ち向かったり、普通に勉強になるし面白い。
とはいえラストの少し強引な設定に若干の違和感をうけたのでで★4で。


備考/

 

 

 



(全25巻)

 

評価:★★★★☆

タイトル/  医龍

作者/  乃木坂太郎  (原案)永井明

内容(amazonより)/

東北の片田舎で隠遁生活を送る朝田龍太郎。だが、彼はかつてNGOで救命医療チームを指揮した優秀な医者だった!!

彼と明真大学助教授の加藤晶の出会いから、怒濤の院内革命が始まる!! 

読むと、もう大学病院にはいけない…!?


感想/

教授になり、問題だらけの医療体制を変える力を手に入れるという
野望をもった加藤晶助教授。
彼女は、野望を叶える実績、新しい心臓手術の手法を確立する為の
研究に邁進する。
そしてその研究の切り札として、かつて天才と謂われた
外科医、朝田龍太郎を医局に迎え入れる。
研究の行方は、加藤の野望の行方は、
日本の医療体制の問題をテーマに描かれる人間ドラマ・・・という内容。

ほぼ同時期に開始した同じ様に、日本の医療問題を
テーマとした 「ブラックジャックによろしく」が話題になりましたが
はっきりいって医龍の方が漫画としての面白さは上だと思います。


傲慢に見えるものの、命に対する敬意を誰よりも持っている朝田の
キャラは好感が持てますし、何より手術シーンが無茶苦茶かっこいい!

そして、もう一つこの作品に見どころは加藤助教授のチームに無理矢理
組み込まれ、 朝田の指導を受けることになった、凡人のような研修医
伊集院が終盤に見せる成長。
結構長い作品だからこそ一人の「医師」の成長が大きな感動を呼びます。

医療物は誰が読んでも間違いないのでどうぞ一読して見て下さい。

 

備考/

 

 

 



(全1巻)

 

評価:★★★☆☆

タイトル/  モーレツ!イタリア家族

作者/  ヤマザキマリ

内容(amazonより)/

イタリア人の夫の実家でイタリア大家族生活

イタリア地域別旅行ガイド&かんたんイタリア語会話集つき!!




感想/

テルマエロマエがはまったので、同じ作者の別作品と言う事で
読んでみました。

イタリア人の夫を持つ作者の実体験に基づいたエッセイ漫画。
超個性的な旦那さんのイタリア人家族が起こすドタバタな日常を
面白おかしくえがいております。

うん・・・たしかに面白い、面白いんだが、これはどこまでいっても
エッセイ漫画だな。

備考/

 

 

 



(既刊1巻~5巻)

 

評価:★★★☆☆(H23/4/24時点 )

タイトル/  アイアムヒーロー

作者/  花沢健吾

内容(amazonより)/

鈴木英雄。35歳。
漫画家のアシスタント生活。妄想の中でしか現実に勝てず、そんな自分に付き合ってくれる彼女との仲にも、不安と不満が募る。
だがある日、現実の世界が壊れ、姿を変えていき…!? 

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』完結から1年。花沢健吾の新境地!!


感想/

1巻見てる途中までは、あまりのつまらなさに切ろうと思ってましたが、
1巻最終盤から2巻に掛けて怒涛の急展開。

ぶっちゃけるとゾンビ物。
まんまバイオハザードの世界です。
ただ、ゾンビの動きが素早い上、日本を舞台にしているので現実感や
緊迫感が かなり伝わってきます。

主人公も超人ではなく、普通の人間っていうかむしろダメ人間の部類なので
逆にそれが臨場感を生み出し、主人公視点で読んでいると恐怖感や
絶望感が すさまじく伝わってきます。

ただ、リアルに描いているので結構グロイ描写があるので注意。

まだ序盤ですのでこの話をどうまとめていくかを楽しみにしています。

 

備考/

 

 

 



(既刊1巻~3巻)

 

評価:★★☆☆☆(H23.4.12時点)

タイトル/  ハカイジュウ

作者/  本田真吾

内容/突然謎の巨大な奇獣に襲われる街
仲間たちが次々と襲われていく極限状態の中で現れる人間性、
本音、狂気・・・・その中で主人公は無事生き残れるのか。


感想/

コンビニにあったので3巻迄ジャケ買いしてみたんですが、
申し訳ないですが、いまのところ自分がハマれるような内容ではないです。
あくまで好みの問題ですが・・・・。

一言で言えばパニックホラー物。突然謎の巨大な奇獣に襲われる街
奇獣からいかに主人公たちは逃げのびるのかっていう感じの内容なん
ですがマヴラヴとかガンパレとか、もっといえばハリウッドのB級ホラー
とかで、すでに結構ありがちな設定。

その上、主人公たちは ともかく逃げるだけなんで、変化がない。
知恵を駆使して敵を倒すとか、そういう展開が今のところ無いんで
wktk出来ない。

逆の見方をすれば、得体の知れない奇獣に追いかけまわされる
圧倒的弱い立場の主人公たち。
その絶望的な状況。追い詰められていくスリル。
そういったコンセプトを楽しめる人は面白いんではないでしょうか。

ともあれ、まだ序盤って感じなので今後の展開に期待。

 

備考/

 

 

 



(既刊1巻~6巻)

 

評価:★★★☆☆(H23.4.9時点)

タイトル/  ネイチャージモン

作者/  原作/寺門ジモン 漫画/刃森尊

内容(amazonより)/

ダチョウ倶楽部メンバー、寺門ジモン――。彼はTVでは見せない別の、いや真の姿がある。その姿こそが「ネイチャージモン」!自然への異常な愛情を持ち、貴重なオオクワガタを探しに山にひきこもり、肉についてしゃべりだすと止まらない。最強へ向けてトレーニングも怠らない!そんなネイチャーの活躍をジモン本人原作により漫画家!タッグを組む漫画家は青年誌初登場、刃森尊!ついてこれるアナタは「ナイスネイチャー」だ!!


感想/

私としては★4でもいいんですが、内容がマニアックすぎる!
はまる人はめっちゃはまりますがはまらん人は全くだと思います。

ダチョウ倶楽部の寺門ジモン氏の肉とクワガタに対する
異常なまでのこだわりを熱く描いた異色の作品。

大クワガタの採り方や山を散策する際のマナー
焼き肉やステーキの食べ方等、文字にするとなんちゃない内容ですが
畳みかけるようなジモン氏の異常なまでのこだわりが面白い。

食事の描写もめっちゃうまそうで肉食いたくなってきます。
内容はマニアックですがジモン氏のこだわりを軸にエンターテイメントに
仕立て上げられてますので分からない人が見てもちゃんと楽しめるとは思います。


備考/

 

 

 



(文庫全23巻)

評価:★★★★☆

タイトル/  ギャラリーフェイク

作者/ 細野富不二彦

内容(amazon出版社からのコメントより)/

“ギャラリーフェイク(贋作画廊)”オーナー・藤田が、その天才的審美眼と修復技術を武器に、美術界の裏に潜む虚飾に切り込む。

 

感想/

自分としては★5でもいいんですが、絵がちょっと人を選ぶような
気がしたので★4でとどめてます。

画像は文庫本版。コミック版は全32巻です。

一言でいえば美術界を舞台とした、典型的なブラックジャックスタイル
作品です。

主人公藤田礼二は、美術の修復・審美眼・知識においてエキスパートで
ありながら 贋作専門のギャラリーを隠れ蓑に、時には盗品美術などを
取り扱う、美術界の 嫌われ者。

しかし、そんな1匹狼の立場から、美術界にはびこる矛盾や、美とは何かという問いを投げかけて行きます。

基本的に1話完結で、その中で絵画、陶芸、彫刻、建築等様々な美術作品を
題材に作品にまつわるエピソードやそれに絡めた人間模様が描かれていきます。

ストーリー漫画としても面白いけど、美術品や雑学に興味がある人は絶対に
お勧めの作品です。


備考/

お勧めエピソード

この作品は読者が趣味嗜好によって話の印象が大分変ります。
私は絵が好きなので絵画系のエピソードが印象深いのですが、SOUTA氏は
書に興味があるっていうか関係者なんで、書のエピソードを挙げていました。
なんであくまで個人的に面白いと思ったエピソードってことでご紹介します。

北斎の市 /  葛飾北斎メインのエピソード。北斎の大きさを良く描いてると思います。
          最後のオチもいい味出してます。 

13人目のクーリエ / 13はユダ(反逆者)を意識したタイトルでしょう。美術界の反逆者でありながら
               真の美を知る者としての藤田の立ち位置をうまく描き切った話です。

縄文土面 / 日本の考古学の不遇な環境を、複雑な人間関係を通して問題提起している話。
         重い話がラストの知念氏のセリフで救われます。

千手堂の男(前・後) / 時計スゲーッとなる作品。てかブレゲスゲー。これ読んだらブランド時計や
                宝石ちりばめた高級時計が馬鹿馬鹿しく思えます。この話に出てくるような
                時計が最も美しい時計だと感じます。  

されど額縁 / 絵を縁取る額縁に関するエピソード。誰も気にとめない額縁の本当のすごさが
          分かります。読後感も良い。

ガウディゴースト / 誰もが知ってる有名建築家ガウディの弱点とは・・・・。ガウディの建物は
             好きでしたが作中に出てくるような事実は全く知りませんでした。
             ガウディ建築に関して新しい視点を与えてくれたエピソードです。

メトロポリタンの一夜 / 美術館の裏方を描いたエピソード。プロジェクトXとかこういう表に出ない
               仕事人の話に弱いです。

税金天国 / 日本の美術品に関する相続税の在り方に一石投じるエピソード。
         でも極楽島あぶなすぎだろ・・・・。

館長三昧 / 美術館が展覧会を行うまでの過程をキャラクターの人間関係をうまく交えて丁寧に
         描かれたエピソード。館長って大変だな~。

オークションの罠 / 絵画オークションの進行、舞台裏を描いたエピソード。
             でも、最後の絵は高田美術館の三田村館長分かってて寄贈されてるんだよね。
             いや、まあ悪者が罰せられて良いんだけど、三田村館長のキャラとしては
             どうなんだろ。

和と美 / 藤田が日本最高と言い放つ書。全然知りませんでした。実際ググったかんじでも
       作者は現状の美術界での評価はそこまで高くないような印象です。ただ作中に出てくる
       作品は確かに書に疎い私でもとても興味を引かれる独創性あふれる魅力を感じます。
       佐賀にあるそうなので近いうちに見に行ってみようと思います。

老人は美術館を目指す / 木を見て森を見ずって言葉が身にしみるエピソード。最後の仕掛けは
                  気をつければ自分でもそのおかしさに気付いたはずなんですが・・・。

誓いの錠前(前・後) / 日本の錠前、和錠を扱ったエピソード。でもこの話はアイテムよりも
               ストーリーと読後感の良さが好きで選出。

生きているオフィーリア / 物語初期の頃、あれほど邪見に扱っていたサラに対しての藤田の想い
                 の変化が描かれたエピソード。藤田の狼狽ッぷりがいい。

器くらべ / 日本の陶器と西洋の陶器の考え方の違い、そこから生まれる修復方法の違いが
        わかるエピソード。藤田の憎い演出に思わずニヤリ。 

薔薇と怠惰 / この話は絵がすごい。物語の展開をひっくり返す、ラスト見開きのボッティチェッリは
          本当に官能的な雰囲気が伝わってくるようです。

終着駅 / ベタベタな人情話。だがそれがいい。大人になって涙腺弱くなってから見たらやばかった。

 

 

 

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